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2023/04/13

【番外編】アジア最大の「TAIPEI CYCLE 2023」 見学レポート

台湾の首都「台北」で3月22日(水)から3月25日(土)に開催された、アジア最大の自転車展示会「TAIPEI CYCLE 2023」に行ってきました。今回はメディアとして招待していただき、展示会と関連イベント「TAIPEI CYCLE RIDE TOGETHER」の見学&体験をしてきた様子をお届けします。

TAIPEI CYCLE 2023はリアルとオンライン「TAIPEI CYCLE DigitalGo」のハイブリットで開催される展示会。リアル会場の「台北南港展覧館」には国際的に名高い大手ブランドを始め、国内外から850社が3,050のブースを使用して出展。オンライン見本市も国内外から206社が出展するというスケールの大きさ。

名称:台北国際自転車見本市(TAIPEI CYCLE2023)
主催:経済部国際貿易局/台湾貿易センター
会場:台北南港展覧館
期間:2023年3月22日(水)から3月25日(土)

3月22日(水)23日(木)は商談市のため関係者のみしか入れないが、24日(金)と25日(土)は一般の参加者も入場が可能(入場料は約1000円)。

3年ぶりに海外からのバイヤーの来場を再開した今年のイベントには、多くの海外メディアが出席。ディスカバーライドもメディアの1つとしてオープニングセレモニーに参加。

オープニングセレモニーの来賓あいさつに登壇したのは台湾のトップ蔡英文総統。
台湾において自転車産業は政策としても重要な存在であることがうかがえます。

セレモニーを後にして、早速「TAIPEI CYCLE 」の展示エリアに潜入!

会場入口には2023年で11回目を迎える「TAIPEI CYCLE d&iアワード」の受賞商品が展示されています。

2023年は環境汚染やパンデミックを経て、世界中で「15分以内の移動で事足りる生活」を目指す都市計画がトレンドとなり、自転車の活用が必須と考えられています。
交通インフラの改善には自転車の乗りやすさを組み込むとともに、自転車そのものも軽量化・電動化・インテリジェント化・システム連携・サービス提供等がすすみ、イノベーションとデザインが新しい技術進歩を生んでいます。
TAIPEI CYCLE d&i アワードは自転車業界の発展促進とインスピレーションに寄与する素晴らしい取組みやプロダクトへおくられる名誉ある賞。

46件の受賞作品が発表され、そのうち7件が金賞、1件が「スタートアップ企業賞」に選出されるとともに、今年は初めて「グリーンサステナビリティ賞」が設けられ、持続可能なイノベーションと設計に優れた作品が表彰されます。

写真は「Young Enterprise(新創企業)」に選ばれたE-BIKE「ELXEY ZK1-E2」。

あまりの会場の広さに何から見ていいのか困惑しているけんたさん。

それもそのはず。TAIPEI CYCLEはサイクルモード東京の約8倍の規模。

会場内のいたるところで展示されていたのが電動アシスト自転車(E-BIKE)。主催者情報によると、電動アシスト自転車は2022年も台湾からの輸出台数・輸出額ともに上昇し、輸出台数はすでに100万台を突破。E-BIKEが近年の業界成長を牽引する最大のエネルギーとなっていることがうかがえます。

E-BIKEの展示だけで約300ブース。これはサイクルモード東京の出展規模と同等。各企業がE-BIKEに注力していることがわかる。

E-BIKEの中でも荷物をたくさん運搬できる「カーゴバイク」が多く見受けられた。

こちらはフロントが2輪の3輪車タイプのカーゴバイク。もちろんこれも電動アシスト。

荷台の他、チェーンステー部分にも荷物が乗せられるような台座がある。

けんたさんが注目したのは台湾メーカー「HYENA」社のE-BIKE。


独自の電動ユニットを使用することで10kg以下のE-BIKEの開発に成功。外見も一般的なロードバイクと見分けがつかないぐらいスマート。

こちらのブースはUber Eatsなど、料理を運搬するためのE-BIKEをメインに展開。ブース全体もカフェをモチーフにした作りでかわいい。

こちらの大きな箱は、なんと高地トレーニング用の環境を作るための低酸素トレーニングルーム「SPEEDHIGH」。空間内の酸素濃度を下げることで自宅で効率的にトレーニングができるというプロ向けの商品。

現在、トレーニングルームの中は標高2686mと同じ環境に調整されているとのこと。ちなみに写真に写っている「武領」とは台湾の地名で、国内でもっとも標高の高い舗装道路がある峠。国際的なヒルクライムイベント、台湾KOMで最後に辿り着く場所として有名です。フランスでも同機能の商品はあるけれど100万円程度はするのだそうで、このブランドは独自の技術をつかって価格は約30万~40万円に落とすことに成功しているのだとか。

けんたさんが興奮気味に立ち寄ったブースは「QUOC」。高級アパレルのポール・スミスを排出したロンドン芸術大学を同じく卒業したデザイナーが立ち上げたサイクルシューズブランド。台湾に来る前から興味があったため、ここは撮影そっちのけで試し履き。

写真はグラベル用のシューズ「Gran Tourer Ⅱ」。指し色のピンクがおしゃれ。

台湾のスポーツバイクメーカー「TRIGON」。写真は新作のロードバイク「AR01」。美しいフォルムはさることながら、注目すべきはフレーム各所に施された空力性能。

特徴的なのは前後のブレーキキャリパー部分の台座にカバーをつけることで空気抵抗を抑えているのだそう。

こちら同ブランドのグラベルバイク。恐らくフレームはスチール。おもしろいのはその塗装。

一見、錆に見える茶色の部分は塗装によるダメージ加工。グラベルの無骨感を引き立てカッコイイ。ツッチーの一押し。

台湾最大の自転車メディア「CYCLING TIME」は会場内で台湾のインフルエンサーによるライブ配信を行い、世界中に情報を配信。けんたさんも急遽インタビューを受けました。

会場の外ではグラベルバイクを試乗できるエリアも。グラベルと相性がよいアウトドアグッズや自動車も一緒に展示されていました。

実際にグラベル(砂利道)も用意されており、乗り味を体験することもできます。

自動車(四輪)に自転車(二輪)を積載する「6ホイールスタイル」の展示。落ち着いた雰囲気のある「VOLVO」も、自転車キャリアをつけることで一気にアクティブなイメージに。

こちらはルーフテントを装着したスタイル。この車でディスカバーライドしたら…そんな想像だけでワクワクがとまりません。

招待者限定の「Outdoor Party」では食事やお酒がふるまわれていました。

初めて訪れた「TAIPEI CYCLE」。有名どころだけではなく、日本では見たことのないメーカーや、玄人向けのパーツの展示などもありスポーツバイク初心者から自転車産業に携わっている専門分野の方まで幅広い展示会でした。

 
日本国内でも、インターネットを通して自転車メーカーやブランドの情報・トレンドを知ることができるのは間違いありませんが、このアジア最大の自転車展示会で触れられる情報は桁違い。

常に新しい情報へのアンテナが張りまくっているけんたさんでさえ知らないブランド・トレンドばかりで、まさにカルチャーショック。

国際的な自転車業界は想像を絶する広大な世界だったことを目の当たりにさせられました。

 

TAIPEI CYCLEは商談目的の意味合いも強いため、トークショーや「にぎやかしのイベント」はないものの、見るもの触るものすべてが最先端で大規模。自転車好きであればまず飽きることはありません。

来年は2024年3月6日(水)~3月9日(土)の開催予定だそうですが、その時には何が取り上げられているのか、ぜひまた訪れてみたいと思います!

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