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2025/04/11

世界が注目、自転車の最前線!TAIPEI CYCLE 2025 現地レポート(前編)

今年もこの季節がやってきました!アジア最大級の自転車展示会「TAIPEI CYCLE(台北サイクル)」が台湾・台北にて開催。世界中のブランドやメーカーが集結し、最先端のテクノロジーや洗練されたデザイン、そしてサイクルライフを彩るライフスタイル提案がずらりと並びます。まさに“自転車の未来”を体感できる一大イベント。

Discover Rideでは、けんたさんとつっちーが会場を訪れ、リアルな目線で注目ブースや製品をレポート。話題の最新モデルや、これからのサイクリングを大きく変える可能性を秘めた革新技術など、会場で実際に触れた“いま”のトレンドを現地からお届けします。

■TAIPEI CYCLEとは?

アジア最大級の自転車専門展示会で、世界中のバイクブランドやパーツメーカーが一堂に会する年に一度のビッグイベントです。開催地は台湾・台北。2025年は3月26日から29日までの4日間、台北南港展覧館(TaiNEX)で開催され、約980社が出展、3,600を超えるブースが並びました。電動アシストやサステナブルな素材、スマートテクノロジーなど、最先端の自転車トレンドに触れられるのが魅力。プロだけでなく、一般来場者も参加できる日が設けられています。

試乗体験やワークショップなど、“見て終わり”ではなく、“体感して学べる”展示構成も魅力の1つ。

オープニングセレモニーには、台湾経済部や主要団体の代表に加え、日本やニューヨークなど各国の自転車関係者も来場。国際色豊かな華やかな雰囲気の中、業界の期待が高まる盛大な幕開けとなりました

■4つのコアテーマ+スローガン「Ride the Revolution」

TAIPEI CYCLE 2025は、「Ride the Revolution(ライド・ザ・レボリューション)」をスローガンに掲げ、自転車業界に訪れる変革の波を体感できる展示会として開催。
電動化、サステナビリティ、都市型モビリティなど、今まさに大きく変わりつつあるサイクルシーンに対応し、未来のライドスタイルを提案する場となっています。会場では、「イノベーション推進」「持続可能性」「サイクリングエコシステム」「スマートライディング」という4つのコアテーマを軸に、最新製品の展示や体験型プログラム、トークセッションなどが展開。来場者は未来の自転車文化を“見て、触れて、感じる”ことができる貴重な機会となっています。

今年のスローガン「Ride the Revolution」に注目しながら、注目を集めていた製品や、気になるブランドの最新動向、そしてけんたさんならではの視点で選んだ「未来を感じるアイテム」をピックアップしてご紹介していきます。

それでは、台北南港展示センターの1号館から潜入。

1号館の入口には、恒例となっている「TAIPEI CYCLE d&iアワード」の受賞製品が来場者を迎えてくれます。デザイン性と革新性に優れた選りすぐりの製品がずらりと並び、今年のトレンドや技術の進化を感じられるのも見どころのひとつ。展示会のスタートにふさわしい、インスピレーションあふれるエリアです。

今年は世界中から150件以上の応募が寄せられ、その中から51点が優れたデザインとして選出されました。さらに、特に創造性と性能に優れた7点には「TAIPEI CYCLE ゴールドアワード」が授与されています。展示ホールへ進む前に、けんたさんが思わず足を止めた注目のアワード受賞製品をいくつかご紹介します。

TAIPEI CYCLE d&iアワードの「GREEN部門」を受賞したのが、台湾のパッケージメーカーYY JUPITERが開発したサステナブルな自転車用梱包材。写真のように、従来のプラスチックやゴム素材を使わず、すべてリサイクル可能な紙素材で構成されたエコな設計が特徴です。自転車の保護性を確保しながらも、製造工程の効率化や環境負荷の軽減を実現。梱包の中身まで美しく、まさに“魅せるパッケージ”。他業界への応用も期待される、未来志向の梱包ソリューションです。

こちらは、「Urban-sport Series Cloak Classic 1」。自転車での移動が日常になっている都市生活者に向けてデザインされた、ファッショナブルなレインコートです。取り外し可能な専用バッグに収納できる仕様で、突然の雨でもスムーズに対応可能。機能性とデザイン性を両立した一着で、通勤や街乗りにもなじむ洗練されたルックスが魅力です。雨の日でも快適に、自転車ライフを楽しみたい人にぴったりのアイテム。

アワードの展示は見応えたっぷりで、つい時間を忘れてしまいそうに。気持ちを切り替えて、いよいよ1号館の展示エリアへと足を進める。1号館の1階には、サイクリングアクセサリーやパーツ、コンポーネント関連のメーカーや代理店が多数出展しており、自転車の細部にこだわるファンにとっては見逃せないゾーンとなっています。

けんたさんが最初に足を止めたのは、MEGAJOY社が手がけるユニークなサイクルトレーナー「EBR」。ランニングマシンのように足元のベルトが回転する仕組みで、自転車をセットしてペダルを漕ぐと、まるで実際の地面を走っているかのような走行感が味わえます。

最初の漕ぎ出しにはバランス感覚が求められますが、慣れればスムーズにトレーニングが可能。バランスを崩したとしても、すぐに足をつくことができて安心。新感覚なトレーニングマシンに大興奮のけんたさん。最大13%までの負荷をかけられるとのこと。

サイクリストにとって欠かせないバイクボトル。その中でも注目を集めていたのが、「1 Click マグネットボトル&ケージセット」。マグネットでスムーズに着脱できる仕組みで、走行中でも片手で簡単に扱えるスマートさが魅力です。この製品を手がけるのは、台湾・台南市を拠点とするバイクグリップやフェンダーを開発するアクセサリーメーカー「V-Grip」。機能性と快適さを求めるライダーにぴったりの注目アイテムです。

走行中でも片手で簡単にボトルが着脱できる手軽さと、しっかり固定される安心感がとても良い。近いうちに日本での販売も予定しているとのこと。

1号館の4階フロアでは、完成車をはじめ、海外出展者による多彩なブランド、そして機能性とデザインを兼ね備えたサイクルアパレルなどが中心に展示されています。国際色豊かな出展内容で、最新のトレンドやグローバルな動向を一度に体感できるエリアです。

展示会の中心でひときわ存在感を放っていたのが、台湾を代表する自転車メーカーGIANTのブース。広々とした空間には、最新のロードバイクやハイエンドホイール「CADEX」シリーズが並び、多くの来場者が足を止めて見入っていた。大型モニターでは迫力あるライディング映像が流れ、ブランドの世界観を体感できる演出も印象的。パフォーマンスとデザイン性を兼ね備えたプロユースモデルから、日常使いに適した実用モデルまで、GIANTの技術力と幅広いラインナップをアピールするブース。

ブースの中でも注目を集めていたのが、GIANTのリサイクルカーボン素材を使ったキッズバイク「Pre rCarbon(プレ・リカーボン)」。実物は驚くほど軽く、わずか2.5kg。フレームからホイール、フォークまでカーボン製で、環境への配慮と機能性を両立した1台。小さな子どもでも扱いやすいよう、細めのハンドルや滑りにくいサドル、安全に配慮したステムカバーなど、細部までこだわりが詰まっていた。

ホイールはシールドベアリング内蔵の3スポークデザインで、走りもスムーズ。乗る楽しさと未来への優しさを両立させた、まさに次世代型のバランスバイク。

また、GIANTブースでは、「Green Forward(グリーン・フォワード)」の取り組みの一環として、自転車をより身近な存在にするキャンペーン「Biking+」を展開。日常生活の中で自転車を使う様子を写真でシェアすることで、暮らしに根付いたサイクルライフの提案。通勤、買い物、子どもとのお出かけなど、生活に自然と溶け込む自転車の姿を来場者自身が発信。楽しさと実用性を兼ね備えた自転車の魅力を伝える試みも行っていた。

台湾の高性能バイクメーカー「TRIGON(トライゴン)」は、カーボンフレームの開発に優れた実力派ブランド。元はOEMメーカーとして技術を磨き、現在は自社ブランドで軽量かつ高剛性なロードバイクを展開している。洗練されたデザインとレース対応のスペックは、多くのライダーから高評価を得ている。毎年、けんたさんのテンションを上げてくれるブースのひとつで、2025年も最新モデルとともに存在感を放っていた。

けんたさんが特に目を引かれたのは最新ロードバイクの「RC2」。​フレームは空力特性を考慮した設計で、最大38cのタイヤクリアランスを備え、将来のサイクリングニーズに対応。​リラックスしたジオメトリは、エンデュランスライダーからレース志向のサイクリスト、初心者まで幅広く適している。​

性能だけでなく、鮮やかでポップなカラーリングやロゴの配置など、細部にまで遊び心が詰まったデザインが印象的。見た目の楽しさと実用性をしっかり両立した1台として、けんたさんも思わず「欲しい!」と感じるほどの魅力。

シートポストに描かれたピースマークが遊び心たっぷりでかわいらしいアクセントに。細部までデザインにこだわるTRIGONらしさが光るポイント。

台北発の「Ciclo Healthy Club」が開発した「power stage」は、まるで未来のトレーニングルームのようなバイクトレーニングシステム。低酸素や常酸素の環境に対応し、音声操作やカラフルな照明演出で、トレーニングの楽しさをぐっと引き上げてくれます。心拍数や酸素濃度、体温などをリアルタイムで測定しながら、自分の体の状態をしっかり把握。ZWIFTとの連携も可能で、最大3人まで同時にトレーニングできます。

さらに、音と光の演出が交感神経を刺激し、赤血球の生成を助けることで、運動パフォーマンスの向上にもつながるそう。もともとダンサーだったけんたさんも、派手な演出に思わずテンションアップ。楽しみながら、自分の限界を超えていく。そんな新感覚のバイクトレーニング体験ができそうな製品。

イギリス発の人気キッズバイクブランド「EARLY RIDER(アーリーライダー)」によるユニークなバランスバイク。丸みを帯びた大きなタイヤと、木製フレームのナチュラルなデザインが特徴で、インテリアとしても映えるかわいらしさ。

タイヤは安定感があり、室内でも床を傷つけにくく、小さなお子さまのはじめての乗り物としてぴったり。デザイン性と実用性を兼ね備えた、まさに“はじめの一歩”を応援するアイテム。

ノルウェー発の自転車ブランド「FARA(ファラ)」は、北欧らしいミニマルで機能的なデザインが魅力のブランド。ZIPPホイールやSRAMコンポーネントを装備し、高い走破性と快適性を両立。アドベンチャーライドからロングツーリングまで対応する万能モデルとして、ツーリング派の来場者からも注目を集めていた。

写真のモデル「F/Gravel」は、バイクパッキングに特化したグラベルバイクで、フレームバッグやサドルバッグがスマートにフィットする設計が特徴。
北欧らしい洗練された佇まいと実用性を兼ね備えた、新しいグラベルバイクの選択肢として今後の注目株。

けんたさんが「今回の展示会の中で、まさにレボリューション!」と感じた製品のひとつが、この「FIRST CLIC(ファーストクリック)」。空気入れの常識を覆すほど簡単でスマートな構造が魅力。ワンタッチでバルブに接続できる独自のポンプヘッドは、ねじ込みや力加減の必要がなく、押し込むだけでOK。仏式・米式・英式にも対応しており、確実に空気が入れられる。日常のメンテナンスがぐっと楽になる注目アイテムの1つ。

会場で偶然出会ったのは、台湾の人気自転車インフルエンサー・リンダさん。以前、けんたさんが台湾一周の旅をした際にサポートしてくれた、心強い仲間でもあります。久しぶりの再会に笑顔があふれ、短い時間ながらも今年のTAIPEI CYCLEの見どころや注目ブランドについて話が弾みます。こうした出会いや再会があるのも、サイクルイベントならではの楽しみ。

1号館の展示をひと通り見終え、次に向かうのはEモビリティ関連の展示が集まるTaiNEX 2(2号館)。未来の移動スタイルを体感できる最新トレンドに、けんたさんの期待も高まります!

【レポート後編はこちら】

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