台湾・澎湖3泊4日の旅 DAY1
エメラルドグリーンの海が広がり、どこまでも続く玄武岩の絶景。交通量はほとんどなく、風だけが背中を押してくれる。そんな「サイクリストのための楽園」が、台湾にあるとしたら?

台湾本島の南西に浮かぶ澎湖諸島(ポンフー)。大小約90の島々からなるこのエリアは、台湾人にとっては定番のリゾート地でありながら、日本のサイクリストにはまだほとんど知られていない。
台湾本島よりも400年も早く開発が始まったという歴史を持ち、島内には清朝時代の城門や玄武岩の集落が今もそのままの姿で残っている。

「台湾のハワイ」と呼ばれる美しい海と、想像以上に深い歴史。その両方を、自転車で走りながら体感できる場所だ。今回の旅も、台湾旅には外せない台湾人サイクリストの”サムさん”をサポートライダーに迎え、男3人で澎湖を走り抜けた3泊4日の旅をレポートする。
台北・松山空港で乗り継ぎ

澎湖への日本からの直行便は就航していないため、まずは羽田空港から台北・松山空港へ。今回は10:50発のエバー航空(EVA AIR)を利用した。
ちなみに、同行したけんたさんが今回使用した輪行バッグはEVOC(約139×91×50cm)。私はいつものOS-500を使用したが、国際線の預け荷物で超過料金が発生しなかったのは非常にありがたい。
羽田から約3.5時間の快適なフライトで台北・松山空港に到着。ここから澎湖行きの国内線に乗り換えるのだが、ここで離島ライド最初の難関となる「預け荷物のサイズ規定」が立ちはだかった。
台北からの国内線はマンダリン航空(華信航空)を利用。離島路線のためプロペラ機を使用することもあり、預け荷物のサイズ規定がかなりシビアだ。
【注意】マンダリン航空の輪行サイズ制限(2026年5月時点)
最大サイズ:160cm × 143cm × 40cm
計測の結果、けんたさんのEVOCは幅が規定を10cmほどオーバーしていた。「最悪、載せられないかもしれない」とハラハラしたが、スタッフから「今回は機材の荷室スペースに余裕があるから大丈夫」と言ってもらい、無事に搭載の許可が出た。混雑状況によっては断られるリスクもあるため、遠征の際は事前の確認を強くおすすめする。

無事に自転車を預けることができて一安心。松山空港で合流したサムさんと一緒に台北を出発。
澎湖空港に到着

プロペラ機に揺られること約1時間、眼下に澎湖の青い海が広がってきた。島全体の大きさや雰囲気は、日本でいうと宮古島に近い。

澎湖空港に到着し、ターンテーブルで荷物を回収する。自転車も傷ひとつなく問題なく運搬されており安堵した。空港ロビーに入ると、澎湖のシンボルである「澎湖跨海大橋」をモチーフにした巨大なオブジェが出迎えてくれる。

さらに館内を歩いていると、何やら見覚えのあるピンク色の物体を発見。なんと、アニメ『ドラゴンボールZ』の魔人ブウが鎮座しているではないか。

我々が訪れた時期(2026年5月)は、現地の大規模イベント「2026 澎湖国際海上花火フェスティバル」の開催期間中で、今年はドラゴンボールZとタッグを組んでいるのだという。空港だけでなく島中のいたるところでこの花火大会の告知がされており、離島の玄関口でいきなりテンションが爆上がりの歓迎を受けることになった。
空港のサイクリスト向け施設

ここでサイクリスト向けの実用的な情報も紹介しておこう。空港内のインフォメーションセンターでは、空気入れや簡易工具を借りることが可能だ。空港のロビーで自転車を組み立ててそのまま走り出すというプランも十分に現実的である。

また、空港ロビーにはコインロッカーも設置されている。OS-500のような折りたたみ可能なソフトタイプの輪行袋であれば、ここに保管してライドに出かけるという使い方も便利だ。

澎湖空港 コインロッカー(寄物櫃)利用案内(2026年5月時点)
営業時間:07:00〜当日の最終便が到着するまで
料金システム:3時間ごとの時間単位課金(3時間未満の利用でも3時間分として計算)。利用時間が長くなるほど単価が安くなる累進システム(最長144時間まで預け入れ可能)。
大型ロッカー(幅40cm × 奥行58cm × 高さ84cm)の料金(3時間あたり)
・最初の24時間以内:60元
・25〜48時間:40元
・49〜144時間:30元
※折りたたんだOS-500などのソフト輪行袋は問題なく収納できるサイズ。
支払い方法:現金(10元硬貨・50元硬貨・100元紙幣)、悠遊カードなどの交通系ICカード、クレジットカードに対応。

今回は大型の輪行ケースもあるため、サムさんがあらかじめ手配してくれていたワンボックスタイプのタクシーを選択。自転車を輪行バッグごと豪快に積み込み、まずはホテルへと向かった。
元・軍人村を改装した宿「澎湖湾行旅」

今回宿泊するホテルは「澎湖湾行旅」だ。馬公の中心街からは少し離れているが、サイクリストにとってありがたいポイントがある。すべての客室が1階のワンフロア構造になっているため、エレベーターを待つストレスもなく、部屋への自転車の出し入れが非常にスムーズだ。

部屋の前にはちょっとしたスペースもあるため、そこで落ち着いて自転車を組み立てることもできる。さらに、夜に開催される花火大会の会場から歩いて5分という、観光面でも文句なしの好立地だ。

このホテルの最大の特徴は、台湾で最も古い軍人村(眷村”けんそん”)の一つである「莒光新村」の跡地をそのまま改装して作られている点だ。敷地内には日本統治時代の面影や、その後に中国大陸から渡ってきた軍人たちが暮らしたノスタルジックな雰囲気がそのまま漂っている。
初日の夜は蟹雑炊を堪能

ホテルにチェックインを済ませた段階で時刻は夕方の18時。初日の夜は、現地の台湾観光庁関係者の方々と一緒に、人気の海鮮レストラン「合苑餐庁」へ向かった。海に囲まれた澎湖はとにかく食材の宝庫だ。テーブルには新鮮な地魚をはじめ、ホタテ、いくら、ウニといった贅沢な海の幸が次々と運ばれてくる。

中でも特に印象的だったのが「蟹の雑炊」だ。鍋の中に蟹が一匹丸ごと豪快に入っており、濃厚な出汁が米の芯まで染み渡っている。あまりの美味さに、一同ついつい食べ過ぎてしまうほどだった。
ゆるやかな時間が流れる澎湖の夜

初日は移動がメインとなったが、やはり離島で吸う空気は台湾本島とは異なる。気温や湿度に熱帯特有の空気感があり、街の雰囲気も台北に比べて時間の流れがどこかゆるやかだ。見ているだけでワクワクする夜の街をもっと探索したいところだが、翌日からは本格的なライドが控えている。はやる気持ちを抑えてホテルへ戻り、機材の最終準備を済ませてベッドに入った。翌日のルートへの期待に胸を膨らませながら、初日の移動日が終了した。
旅のしおり
| 10:30 | 羽田空港を出発 |
|---|---|
| 14:30 | 台北・松山空港到着&乗り継ぎ |
| 16:00 | 台北・松山空港を出発 |
| 17:30 | 澎湖空港に到着 |
| 18:30 | ホテル「澎湖湾行旅」に到着 |
| 19:30 | 海鮮レストラン「合苑餐庁」で夕食 |




