台湾・澎湖3泊4日の旅 DAY2

台湾式朝食で腹ごしらえ

ペダルを回す前にまずはエネルギー補給だ。サムさんが朝早くから調達してきてくれた朝食をいただく。メニューは台湾式の定番朝食、パイ生地のような焼きパン「燒餅(シャオビン)」だ。サクッと焼いたパンに揚げパン(油条)を挟むという、日本にはない「パン&パン」の組み合わせである。表面はサクサク、内側はもちっとした食感で、一口かじると香ばしさが広がる。セットの豆乳は甘さ控えめで飲みやすく、毎日飽きずに食べられるシンプルな美味しさだ。

腹ごしらえを終えて出発、と思いきや、ホテルの向かい側にある「篤行十村」に立ち寄ることにした。
ここは台湾最古の軍人村で、日本風の木造建築とサンゴ礁の石壁が融合したレトロな街並みが魅力の散策スポットだ。園内を進むと、なんと『ドラゴンボールZ』とのタイアップが展開されており、いたるところに主役級キャラクターのパネルが設置されている。思わず全力で「かめはめ波」のポーズを決めて盛りあがった。

フュージョンポーズも、やるしかないでしょ。

敷地内にはなぜか巨大な椅子の姿も。ライドスタート前からわちゃわちゃと楽しむひとときが続く。
馬公市街地を抜けてライドスタート

あまりの楽しさにすっかり出発が遅くなってしまったが、ようやく自転車にまたがりライドがスタートした。馬公の中心街を一気に突き抜け、最初のスポットである「澎湖跨海大橋」を目指す。
ライド初日は、ホテルのある馬公の市街地をスタートし、島の北部をぐるっと巡って最西端の漁翁島灯台で折り返す、総距離約80kmのコース。ひらがなの「つ」の形のようなルートだ。

澎湖は数多くの島々で構成されており、ところどころで島と島が橋によって結ばれているのが特徴だ。

約20kmを走って「澎湖跨海大橋」へ到着。澎湖を代表する観光スポットだけあって、大型バスで訪れた多くの観光客で賑わいを見せていた。

大橋の入り口で迎えてくれたのは、まさかのフリーザ様。心なしか、サイクルジャージに身を包んだこちらのピチピチとしたフォルムが、フリーザ様のボディラインと妙にシンクロしている気がしてならない。

強い日差しから逃れるため、涼しい木陰を求めて大橋のすぐ横にある「通梁古榕」へと休憩のために移動した。

樹齢300年を超える巨大なガジュマルで、実はたった1本の木から広がっている。頭上を覆う無数の気根が広大な木陰を作り出しており、神秘的なエネルギーを感じるパワースポットでもある。

火照った身体を冷やすためサムさんおすすめのアイス屋の「江巷仔內仙人掌冰」に立ち寄る。

用意されている味は6種類。サボテンやアロエ、パパイヤなど南国らしいフレーバーが揃い、全種類を選んでもわずか65元(約330円)という手頃さだ。

今回はサボテンとパパイヤをチョイス。さっぱりとした味わいと冷たい食感が、火照った身体に心地よく染み渡る。アイスの奥に写っているゴロゴロとした植物が、原料であるサボテンの実だ。

アイス休憩を終えた後は、いよいよ澎湖跨海大橋を渡る。約2kmの橋の両側には、見渡す限りのエメラルドグリーンの海が広がっている。
澎湖跨海大橋を渡り、最西端の灯台へ

大橋を渡りきり、次なる目的地である島の最西端「漁翁島灯塔」を目指す。ここからはじわじわと上り坂が続いていく。

坂の途中にあるビュースポット「美麗海湾休憩亭」で一息入れると、眼下に広がるビーチの美しさに思わず息をのんだ。「台湾のハワイ」と称されるのも納得の景色だ。

坂を上りきり、島の最西端にある「漁翁島灯塔」に到着した。台湾最古の洋式灯台であり、今なお海を照らし続ける現役の施設だ。青い空に映える真っ白な建物が印象的である。

敷地内には小さな大砲が設置されていた。これは軍事用ではなく、霧などで灯台の光が見えづらい時に「音」を使って船を誘導していた補助装置なのだという。現在はその役目を終え、代わりにスピーカーがその役割を担っている。

高台からは果てしない大海原が広がり、遠くに浮かぶ澎湖の島々までも見渡すことができる。坂を上ってきた疲れも吹き飛ぶ絶景だ。ただし、軍事施設が隣接しているエリアのため、写真を撮る際は施設が映り込まないよう注意が必要である。

灯台ではトイレの利用や給水も可能なので、ここでしっかりと休憩を済ませ、折り返して後半戦へ向かう。

灯台から戻る途中、「外垵漁港観景台」へ立ち寄った。眼下に広がる港街の風景は、カラフルな家々が斜面に並ぶ様子がまるでヨーロッパの街並みのようで、思わず足を止めてしまうほどの美しさだった。

せっかくなので、その港街へと下って昼食をとることにした。自転車で迷い込んだ細い路地裏の、先が見えないワクワク感が旅情を掻き立てる。

ふらっと立ち寄ったのは、港街にあるローカルな商店「三山商號」だ。観光雑誌には載っていないようなディープな外観が味わい深い。

この店の看板メニューは、イカのフライと豚肉を挟んだ「グアバオ(台湾風蒸しパン)」だ。

胡椒がピリッと効いたスパイシーな具材と、外側のほんのり甘い蒸しパンが織りなすコントラストは新感覚の美味しさ。ボリューム満点で、まさに大当たりのローカルフードとなった。
玄武岩の絶景と古民家カフェで杏仁茶

大満足のランチを終え、次なるスポット「池東大菓葉玄武岩」へと向かう。溶岩が冷えて固まる際に形成された見事な「柱状節理」の玄武岩が、まるで巨大な壁のようにそびえ立つ澎湖屈指の名所だ。

人工物のようにも見える規則正しい柱壁は、自然の力だけでこれほど見事な造形が生まれるのかと驚かされる。

カフェ休憩を兼ねて「二崁聚落保存区」へ立ち寄る。サンゴ礁の石や赤レンガを用いた伝統的な閩南式建築の街並みが今なお残る歴史的な保存地区だ。古民家を活かしたレトロなカフェが点在し、独特の雰囲気が漂っている。

サムさんが「絶対におすすめ!」と太鼓判を押す「杏仁茶(あんにんちゃ)」の店へ。杏仁豆腐はよく知っているものの、「杏仁茶とは一体……?」と、頭の中に疑問を抱きながらその後に続いた。

一口含んだ瞬間に「これは間違いなく杏仁茶だ」と理解できるほど、文字通り濃厚な杏仁のお茶だ。とにかく美味しく、おすすめする理由にも大いに納得。価格は50元(約350円)である。
追い風に乗って隠れ家カフェへ

復路も再び「澎湖跨海大橋」を渡り、今夜の宿がある馬公の市街地を目指す。交通量が驚くほど少なく、車を気にせずストレスフリーで快適に走り続けることができる。

Discover Rideの旅に欠かせないカフェタイム。ここまで走ってまだコーヒーを飲んでいないことに気づき、新興住宅エリアの一角に佇むカフェ「光和咖啡」へと立ち寄った。

住宅の1階部分を改装したその店は最近移転してきたばかりだそうで、友人の自宅に招かれたかのようなアットホームな内装が心地よい。

チーズケーキとアイスコーヒーを注文。チーズケーキは甘すぎず深みのある味わいで、コーヒーはすっきりとした口当たりながらも程よいコクが感じられる。間違いなくリピート確定の名店だ。

カフェインと糖分を補給し、いよいよ本日のゴールを目指す。馬公の市街地へと近づくにつれ夕方の帰宅ラッシュと重なり、徐々に交通量が増えてくる。

ホテル近くの「観音亭親水遊憩区」には、花火大会のイベントゲートが設置されていた。道路脇では露店が店を開く支度をしており、夜の一大イベントに向けてお祭りムードが着々と高まっている。

無事にホテルに帰着し、ライド初日が終了。予定通り走行距離は約80km。心地よい疲労感に包まれながら、初日としては実によい距離だった。
夜空を彩る花火フェスティバルへ

ホテルでシャワーを浴びてさっぱりしたあと、花火が始まる前に夕食を食べに街へ繰り出した。今夜のお目当ては、新鮮な牡蠣料理を堪能できる「福牡蠣屋」だ。非常に人気のある店なので事前の予約がおすすめである。

蒸牡蠣をはじめ、XO醤で煮詰めた牡蠣、牡蠣の卵とじなど、どれもこれもビールが進む料理ばかりだ。新鮮な牡蠣を心ゆくまで堪能し、お腹も満たされたところで、いよいよ花火大会の会場へと歩き出した。

会場に着くと、すでにすごい人だかりで賑わっていた。入口には『ドラゴンボールZ』の巨大アーチがあり、この一大イベントにかける並々ならぬ気合を感じた。

澎湖国際海上花火フェスティバルは、2026年5月4日から8月25日まで全33回開催される長期間の花火大会だ。人気アニメとのコラボレーション、6か国チームの花火、ドローンショーが夜空を彩り、ナイトマーケットなども合わせて一日中楽しめる仕様になっている。

夜空に大輪の花火が開き、それに合わせて『ドラゴンボールZ』の聞き覚えのある音楽が流れ始めた。流れる曲は、感動を呼ぶ日本語のオリジナルバージョン。この作品に対する並々ならぬリスペクトを感じ、胸が熱くなった。

ドローンショーでは主要キャラクターがリアルに再現され、その解像度の高さに驚いた。次から次へとキャラクターが変わっていく展開に、会場の興奮は最高潮に達した。

花火とドローンと音楽が融合したパフォーマンスは、まさに体験する新感覚の花火大会だった。朝から約80kmを自転車で走っていたことをつい忘れてしまうほど、心ゆくまで堪能できた。

澎湖でのライド初日は、比較的フラットな地形で交通量も少なく、ストレスフリーで快適に走ることができた。パワースポットやローカルフード、そして夜の新感覚フェスティバルと、島北部の観光ポイントを一気に巡り、非常に満足できる一日となった。翌日の島南半分のライドも楽しみだ。
<翌日につづく>
旅のしおり
| 8:30 | ホテル横にある篤行十村を見学 |
|---|---|
| 9:45 | 澎湖跨海大橋に到着 |
| 9:50 | 通梁古榕で休憩 |
| 11:40 | 美麗海湾休憩亭で休憩 |
| 12:00 | 漁翁島灯塔に到着 |
| 12:30 | 外垵漁港観景台に立ち寄り |
| 13:00 | 三山商號でランチ |
| 14:00 | 池東大菓葉玄武岩を見学 |
| 14:15 | 二崁聚落保存区(杏仁茶)で休憩 |
| 16:00 | 光和咖啡で休憩 |
| 17:00 | ホテル「澎湖湾行旅」でゴール |
| 21:00 | 花火大会を鑑賞 |














