いよいよ旅も折り返し。国道1号線を走り、けんたさんの友達のライダーがカフェを営む町「恒春」を経由し、台湾の最南端へ向かう。比較的短距離の旅程を計画していたため楽勝と思いきや、サムさんの自転車トラブルが発生したり、みかねた友人ライダーが急遽サポートとして一緒に走ってくれたりと、結局話題に事欠かない一日となった。

けんたさん・旅のしおり

08:00 ホテルからライドスタート
09:00 吉吉鮮果氷(枋山・屏東県)でスイーツ休憩
11:00 LANCHER CLUB恒春(恒春・屏東県)でランチ
14:30 台湾最南端 鵝鑾鼻(ガランピ)灯台(屏東県)を見学
15:30 風吹砂(恒春・屏東県)で休憩
16:00 日日旅海(恒春・屏東県)に到着・宿泊

DAY5 終了!

台湾5日目!

まずはホテルで腹ごしらえ

ホテルの朝食ビュッフェで中華まんを選び炭水化物をチャージするけんたさん。
対してサムさんは野菜がメイン。がっつり動く一日の朝ごはんとしてはちょっと意外なチョイスだ。
サムさんは基本、肉野菜なんでも食べるが、もともと台湾はベジタリアンやヴィーガンの人口が多く、ビュッフェでなくともベジタリアン・ヴィーガン向けメニューを備えたレストランは日本より充実している。

5日目スタート
本日もばっちり快晴!

サムさんは昨日まですべての荷物を背負って走っていたが、注文していたサドルバッグがホテル近くのコンビニで受け取れ、晴れて人生初のサドルバッグパッキングスタイルになった。
この旅はじめての100km未満の行程、ノリノリのポーズからも気持ちの余裕がうかがえる。

完全体の3台で記念撮影

枋寮のモニュメント

スタートした直後の海岸で「枋寮(Fang Liao)」のモニュメントを発見。
枋寮はマグロの捕獲量が多いことで有名な街だ。
けんたさんのTREK、サムさんのSCOTT、ツッチーのCinelli、バイクパッキングが完成した3台の愛車を並べて記念撮影してみた。

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枋寮を後にし、海岸沿いの1号線を南下。
本日の昼食を食べる街「恒春」を目指す。南下が進むにつれ、日差しと乾燥が強くなっていくので、日焼け止め成分のリップクリームが必須だ。

果物もりもりのカラフルかき氷で一休み

吉吉鮮果氷

恒春へ行く途中に、道路沿いにマンゴーかき氷の看板を発見。
前回の台湾旅では台北のかき氷に大感激だった。
本日は距離も短く時間に余裕があるので涼をとりつつスイーツ休憩。

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けんたさんが注文したフルーツMIXかき氷は、マンゴー、スイカ、ドラゴンフルーツが山もりのった豪華なメニュー。
やはり日本のとは違い、氷にも味がついている。
果物はどれも甘くておいしいが、1人で食べるにはかなりボリュームがあった。

かき氷休憩を終えて、恒春に向けて再出発。このあたりは山側(内陸部)から海側に向けて吹き下ろす横風が強く、自転車があおられやすい。体ごと山側に車体を傾けながら進む。

台湾一周の日数を分ける分かれ道

国道1号線・国道9号線の分岐点

国道1号線を走っていると内陸に入る国道9号線との分岐点に到着。ここは台湾一周をめざすライダーにとっては重要なポイント。
最南端まで行かず距離と旅程を短くしたい人は9号線を選択するか、この先の車城という地点で内陸にショートカットする199号線を選ぶと1日旅程が短くできる。
今回は最南端まで行く最長ルートの1号線(写真一番右側の道)を進む。のちに国道26号線となり恒春の街へ続く道路だ。

歴史を感じる城門をくぐって到着

最南端の町、恒春

台湾の最南端にある町、恒春の中心には19世紀に建てられた城壁をくぐると入ることができる。
本日のランチは、けんたさんの友人である台湾自転車YouTuber「リンダさん」のカフェに行こうと決めていた。

台湾のライダーが集う小さなカフェ

LAUNCHER CLUB

台湾南部を走るライダーの憩いの場所として使ってほしいとリンダさんがオープンしたかわいらしいカフェ「LAUNCHER CLUB」に到着。
「常春」という意味を持つ恒春の旧名は「琅嶠 (Lang Jiao)」。
ロケット発射機のランチャーと発音が似ていたのがこの店名の由来だそうだ。
恒春は名前の通り冬でも暖かく、ライドしやすい。日本に詳しいリンダさん曰く、伊豆の気候に似ているという。

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ランチに舌鼓、地元ライダーとの会話に盛り上がっていたら…
トラブル発生!

ランチにいただいたラップサンドはこんがり焼かれたベーコンの熱で、パンにふんわり包まれたチーズ、レタス、トマトもホンワカ温かく、新鮮な野菜の歯ごたえも加わり、ギチギチにまかれたラップサンドと一線を画す食感。
カジュアルながらクオリティが高いのは、メニューは専属シェフが考案・監修しているからこそと聞いて思わず納得。

ケーキ(こちらも美味しかった)もしっかりいただきつつ、自転車の話や日本の行きたい場所などの話で盛り上がり、気がつけば2時間も滞在してしまった。

和気あいあいしているけんたさんの横で、サムさんの自転車にアクシデント発生。
ここ数か月、あちこち自転車の旅に酷使していたためか、電動ディレイラーのバッテリーが切れてしまった。
充電までに時間かかってしまうため、本日はこれ以上ガイドライダーができない状況に。

地元の”神”サイクリストに救われる

リンダさん

浮足立つ一行を見かね、リンダさんが本日の宿までサポートライダーを申し出てくれた。
地元ライダーが一緒に走ってもらえるとは心強い!ありがたくお願いすることにして、この日後半のライドを再開。

まずはカフェから南に向かって15分ほど走り、真っ青なビーチにたどり着いた。
ここはリンダさんおすすめの「南湾ビーチ(南湾遊憩区)」。国立公園「墾丁国家公園」の中にある砂浜だ。
緯度で言えば宮古島とフィリピンのルソン島の間あたりなだけあって、砂と海のまぶしいくらいの明るさはまさに南国のビーチ。

強脚のライダーの後を追いかけ、台湾最南端へ

台北をスタートして4日半、常にサムさんの早いペースに鍛えられながら走ってきたけんたさんとツッチー。
「私はサムさんほど早く走らないから安心して!」と言ってくれたので、ゆったりライドできるかと思いきや、サムさん並みに強度高めでガンガン行くスタイルだった。しかもアップダウンが続く海岸線、なんとかついていく2人。

台湾最南端を照らす灯台を観光

鵝鑾鼻灯塔

台湾最南端にある「鵝鑾鼻(ガランピ)灯塔」に到着。灯台がある同名の「鵝鑾鼻灯塔公園」の敷地内にある。
公園は有料で入場料(大人60元/自転車30元)を支払い自転車を押しながら灯台まで向かう。

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第二次世界大戦後に修復され、いまでは台湾全土で一番光力が強いといわれる鵝鑾鼻灯台。
真っ白な灯台をバックに記念撮影。
最南端の公園として土日は観光客で賑わうだけあり、自動販売機やトイレなど設備も整っていて、ライドの休憩地点としても便利。

この先の道のりに思いをはせる景色で小休憩

風吹砂

灯台を過ぎると、折り返して台湾の東側に突入。ここからは北上だ。
リンダさん絶賛の景勝地「風吹砂」が本日の宿まで残り2kmの地点にあると案内してくれた。

たどり着くと、道の端に砂地の断崖絶壁が。
北を向くと、明日以降の道のりで通る東側の山々が一望できる。

これから向かう道のりへ想像を掻き立てられるこの景色は、自転車台湾一周をしている中でたどり着いたからこその感慨深さ。
ここに来るためにも、分岐点を1号線に進んだ価値があったというものだ。

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本日は一棟貸切の超おしゃれ宿

日日旅海 Ocean Day by Day Hotel

この旅で初めて太陽が沈む前にお宿に到着した。
芝生と太平洋が広がる敷地に建てられた真っ白でミニマムなデザインのホテル。
リンダさんとも本日はここでお別れ。
サムさんも変速機のバッテリー充電を終え、先にホテルに走りついていた。

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今回は3階建ての一棟貸切。1階がリビングダイニング。2階が洗面と浴室、3階が寝室になっている。
窓からは芝生と海を眺めることができる。もちろん自転車は室内に保管OK。

2階の洗面と浴室もかなりおしゃれ。久しぶりのバスタブで温かいお湯にはいれるとテンションがあがる。

3階の寝室も真っ白な空間にクイーンベットが2台並んだ豪華なしつらえ。

激うまピザに感激

rock garden

ホテルに併設されているカフェの営業時間が17時なので、あらかじめここから約1km離れたピザ屋さんに事前に注文した。
このピザが度肝を抜くほどのおいしさ。
クリスピーな生地に濃厚なチーズがたっぷり。具材も生地のギリギリまで盛りつけてある。
この記事を読んで台湾を走ると決めた人にはぜひ味わってもらいたい!しかし事前予約制なので注意してほしい。

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久しぶりのバスタブでリラックスし、おいしいピザとビールを堪能。
広いベットでまったりしながら明日からの台湾一周の後半に備える。

今回立ち寄った場所

枋寮海堤

吉吉鮮果氷

LAUNCHER CLUB

鵝鑾鼻灯塔

風吹砂

rock garden

今回宿泊したおやど

日日旅海 Ocean Day by Day Hotel

出会った人

リンダさん

けんたさんのお友達、サイクル系台湾Youtuber。最南端の町でサイクリストに優しいカフェを運営している。
トラブル発生してしまったサムさんの代わりに急遽半日ガイドライダーを務めてくれた

Youtube

インスタグラム

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ROUTE

「台湾一周1000kmの旅」DAY5のルート&おススメスポットについて

屏東県の枋寮をスタートし途中「恒春」でランチ。台湾最南端の灯台を超えた後、屏東県東側の満州郷のホテルでゴール。

他の日の様子はこちら!